筑駒理社対策/理科データラボ

筑駒理科 2022–2026

筑駒理科で、
「知っているのに解けない」
が起きる理由。

てこも知っている。電気回路も習った。水溶液の性質も覚えている。それなのに、筑駒の過去問になると解けない。5年分を答え179個まで分けると、知識だけで決まるのは1割前後でした。

5年分2022〜2026年度
32大問
105設問
179答えの数
まず分かったこと

「習ったことを知っている」だけでは、なかなか点になりません。

筑駒の理科を見ていると、「これは塾で習ったはずなのに、なぜ解けないんだろう」と感じる問題が少なくありません。

扱っている内容そのものは、小学校で学ぶ理科です。ところが問題になると、「この条件ならどうなる?」「では、ここを変えたら?」「この実験結果から、本当にそこまで言える?」と、知識をそのまま答えるのではなく、その場で考え直すことを求められます。

知識だけで答えが決まる
10.6%

179個の答えのうち19個。知識は必要ですが、それだけで終わる問題は少数です。

その場の情報が答えの決め手になる
72.6%

実験結果、図、グラフ、問題文の条件などを使わないと、答えを決めきれないもの。

この2つを足しても100%にはなりません。残り約17%は、知識とその場の情報の両方が要る、またはどちらとも言い切れないものです。

もちろん、暗記がいらないということではありません。筑駒を受ける以上、基礎知識はかなり高い水準で身についていることが前提です。

その先にもう一段あります。
覚えたことを、問題の条件に合わせて使い直す。ここまでできて、初めて点になります。
5年続けて出ているもの

たとえば「てこ」。毎年出ています。
でも、同じ問題は一度も出ません。

筑駒では、2022年から2026年まで5年続けて、つり合いや安定に関わる問題が出ています。

だからといって、「てこの計算をたくさん練習すればいい」という話でもありません。見た目は毎年かなり違います。

2022 角材と木片 2023 棒・皿・分銅 2024 L字型の立体 2025 砂がこぼれ続ける装置 2026 板と木片の組み合わせ

それでも、子どもが考えなければならないことには共通点があります。

1どこで支えているのか
2どちらに傾こうとしているのか
3重さはどこにかかっているのか
4一つ条件を変えたら、次に何が変わるのか

2025年度では、砂が毎秒一定量ずつ容器から出ていきます。一度つり合いを計算して終わりではなく、時間とともに変わる状態を追い続けなければなりません。

筑駒対策で目指したいのは、「2025年の問題が解けるようになること」ではありません。
初めて見る装置でも、自分で条件を整理できること。
電気回路も同じです

回路の名前を答えるのではなく、
「本当にどこを通るのか」を追う。

2024年度

回路板

つなぎ方を変えるたびに、2つの豆電球がどう点灯するかを判断します。途中の道筋を一つ落とすと答えが変わります。

2025年度

三角形・四角形の回路

導線やスイッチをどこにつなぐかで、危険な回路になるか、明るさがどう変わるかを考えます。

5年連続

題材は違っても

必要なのは、直列・並列という言葉よりも、電気の通り道を一つずつ追い直す習慣です。

頭の中だけで処理しない。

筑駒を目指す子は、少し難しい問題でも頭の中だけで何とかしようとすることがあります。でも複雑な回路ほど、紙に書き込みながら「ここから入って、ここを通って……」と追う方が安全です。

図表問題で見たいこと

グラフは「読める」だけでは足りません。

筑駒で大切なのは、グラフの読み方そのものより、「そのグラフから、どこまで言ってよいのか」です。

2026年度のツバメの問題では、ふ化した日と親鳥が巣にいた時間、巣立ちまでの日数、えさとなる生物の割合など、複数の資料が示されます。2025年度のニホンジカでも、シカの推定頭数、森林の変化、狩猟者数、捕獲数などを重ねて考えます。

一つのグラフなら読めても、二つ、三つと重なると難しくなる。そして筑駒は、まさにそこを使ってきます。

家庭で資料問題を解くときには、
「このグラフは何を表している?」だけではなく、
「このグラフだけで、そこまで言える?」
と聞いてみる。これだけでも、かなり筑駒らしい練習になります。
いちばん気になる失点

「分かっていたのに間違えた」が、筑駒では起こりやすい。

丸つけをしていて、「これ、知らなかったの?」と聞いてみる。ところが本人は知っている。

てこの考え方も分かっている。水溶液の知識もある。回路の基本も知っている。それなのに間違えている。

よく見ると、知識ではなく条件の扱い方で失点していることがあります。

たとえば「2つ選べ」「すべて選べ」のように答えを全部そろえる問題は、5年間で24個(13.4%ありました。一つ見つけたところで手を止めると、そこは点になりません。

問題文の条件を一つ読み落とした
図の一か所を見ていなかった
「すべて選べ」なのに一つで止めた
条件を変えた後も、前の状態のまま考えた
一つの実験結果だけで結論を出した

「知らなかった」なら、覚え直せます。

でも、「分かっていたのに、条件を一つ落とした」という間違いは、知識を追加するだけでは直りません。問題を読むときの習慣そのものを整える必要があります。

計算問題について

筑駒の計算は、「計算する前」が大切です。

今回の分類では、およそ4分の1の解答で何らかの数量的な処理が必要でした。

ただし、難しいのは計算そのものとは限りません。水溶液なら、水は何gか、とけているものは何gか、温度は何℃か、いま飽和しているのか、水を加えたのか、冷やしたのか。そこを整理して、ようやく式になります。

条件を変える・比べる・場合分けする
72.1%

「何が変わったか」を追う場面が、とても多くあります。

計算や数量の見積もりを含む
25.7%

式の前に、状況を数に変える力が必要です。

式を立てられないとき、必要なのは「もっと計算練習」ではなく、何と何の関係を計算するのかを整理することかもしれません。
記述について

長い記述は多くありません。
でも、短く言い切る力は必要です。

5年間で10179個の答えのうち5.6%です。数は少ないのですが、字数はどれもかなり短く、書くことを絞れるかどうかが問われます。

2022年度

10字以内

火山灰の特徴を短く説明。

2023年度

7字以内

金属板を傷つけずに見分ける方法を答える。

2025年度

15字以内

シカが増えた理由を簡潔に説明。

「もっと詳しく」より、「一番大事なことを一文で」。

何が原因なのか。何を比べればよいのか。どの言葉まで書けば十分なのか。長く書くより、必要なことだけを選んで言い切る練習が役立ちます。

お子さんの現在地を見る

筑駒理科で必要になる力が今どのくらいか、
12問・約7分で確かめられます。

5年分の179個の答えを分類した結果をもとに、こちらで作った問題です。筑駒の過去問そのものは使っていません。合格の可能性や偏差値は出しません。お伝えするのは、次にどこから練習すればよいかだけです。

できなかった × よく出るいちばん先に手をつける

よく出る力ほど、先に取り組む順番にしています。

できた × よく出る得点源にしたい

本番でも取りたい得意分野として扱います。

12問しかありません細かい検査ではありません

1問でしか見ていない力には「目安」と書き添えます。

無料・登録不要

筑駒理科・「使い直す力」診断

大きく4つの力に分けて、その中をさらに11に分けて見ます。

  • 覚えたことを思い出す
  • その場の資料を読む
  • 条件を追いかける
  • 数と理由で答えを出す

※「説明」は、実際に文章を書いていただいて採点するのではなく、必要な要素が入った短い答えを選べるかどうかで簡単に見ています。※ 診断の問題文中の数値は、この診断のために用意したものです。

では、家庭では

「もっと難しい問題を」だけではなく、
考え方を小さく練習する。

筑駒向けに難しい問題を解くことは必要です。ただ、5年分を見ていると、難しい知識を増やすこと以上に、知っていることを条件に合わせて使う練習が重要だと感じます。

「何が分かっている?」
最初に、与えられた条件を言葉にさせる。
「何が変わった?」
前の状態との違いを一つずつ確認する。
「変わっていないものは?」
固定条件を意識させる。
「このグラフだけで、そこまで言える?」
資料から言えることと推測を分ける。
「まず図にするとどうなる?」
頭の中だけで抱えず、外に出して考える。

最初は時間がかかります。でも、この一手間が習慣になると、初めて見る問題でも慌てにくくなります。

筑駒の過去問を何年分も消費する前に、
過去問を解くときに必要になる考え方を、小さな問題で練習しておく。
その方が、限られた過去問を有効に使えます。
ステップ☆ナビの筑駒理科

過去問を覚えるのではなく、
初めて見る問題で動き始められるように。

いきなり難しい過去問を解かせるのではなく、「何を見るのか」「何を整理するのか」を小さな問題に分けて確認します。

1

わかる編

資料や図を見ながら、どの条件に注目するのかを確認します。

2

おぼえる編

必要な知識を、資料なしでもすぐ取り出せる状態にします。

3

筑駒型の練習

条件を変える、図や表にする、理由を短く説明するところまで進めます。

目指すのは「何をすればよいか分からない」ではなく、「まず条件を整理してみよう」と自分で動き始められる状態です。

最後に

筑駒理科を、「知っている」で終わらせない。

筑駒の問題は、小学校理科から離れた特別な世界の問題ではありません。てこ、電気、水溶液、植物、動物、天体。学んできたものが出てきます。

ただし、それを少し違う形で見せて、「では、この場合は?」と聞いてきます。

だから必要なのは、知識を増やし続けることだけではありません。

知っていることを、初めて見る場面で使えるようにすること。
筑駒理科対策で、いちばん大切にしたいのはそこです。
この分析について:2022〜2026年度の筑波大学附属駒場中学校理科を対象に、問題を設問単位だけではなく、受験生が実際に答える単位まで分けて独自に分類・集計しています。問題本文・選択肢・図版そのものを転載することを目的としたものではなく、出題の特徴や、答えを出すまでに必要となる考え方を分析したものです。学校公式の分析ではありません。

過去問を解く前に、
過去問を解くための考え方を身につける。

覚えた知識を、条件の中で使う。図に表す。一つずつ確かめる。筑駒理科で必要になる考え方を、小さなステップで練習します。